ムドンと名づけられたルネ・ラリック1933年の作品で、戦後復刻されなかったモデルです。
因みにムドンはパリ郊外の町の名で広大なムドンの森は有名です。
およそ名前とは無関係と思われる至って幾何学的なデザインの花瓶です。
植木鉢に似たフォルムで、下から上へ段階的に幅が広くなる7段の段が付いており、段差にラリック得意の珠のモティーフが連なっております。
珠の大きさも段の幅と円周に連れて拡大しており、単純なデザインに見えて意外に緻密に計算されているようです。
かなり使い込まれており、内側や底に小キズがたくさんあります。
また、ガラスの中に小さな気泡も入っており、外側にも気泡が弾けたと思われ小さなチップが2箇所ほどあります。
ルネ・ラリック作品は概ね品質的にはラフな造りですので、細部に拘らずデザインを楽しむべきなのかも知れません。
資料画像はMARCILHAC著カタログ・レゾネからの抜粋です。
【サイズ】 | 高さ:12cm 口径:12.4cm 底径:6cm |
【年代と国】 | 1933年 フランス |
【サイン】 | サンドブラストでR.LALIQUE (矯めつ眇めつしないと見えません) |
【状態】 | 上記のとおり。 |