ドレスデン磁器と一般に呼ばれますが、ドレスデンの窯は殆どが絵付け工房で、素磁はマイセン、KPM、ローゼンタールなどから白磁の状態で買い、それらに絵付けをして売ったものです。多くの工房が競って制作したため、ドレスデン磁器の絵付けはヴァラエティに富んだ華やかなものになり、ヨーロッパのブルジョワ階級に人気を博し、大いに発展したといわれます。本品はドレスデンブーケ と呼ばれる定番の花絵が手描きされた可愛らしいデミタス(又はモカ)カップ&ソーサーです。
窯印はPOTSCHAPPEL(ポットシャペル)、1872年創業で現在ドレスデン・ポルツェランの社名で続いている窯です。
1個のカップだけ素磁は同じで窯印が違い、装飾も別の手になるものが混ざっております。
繊細な薄手の白磁に色とりどりの花が古風で達者なタッチで描かれた美しいカップ&ソーサーです。
資料画像はユーロッパと極東の主な陶磁器の窯印を網羅したドイツの本(Dr Graesse著)の仏語版からの抜粋です。
【サイズ】 | カップ:高さ5.7cm 口径5.7cm ソーサー直径:12cm |
【年代と国】 | 19世紀末〜20世紀初頭 ドイツ |
【サイン】 | ブルーでPSのロゴと675の番号 グリーンで元印を隠す葉模様 |
【状態】 | 良好。 |