フロストされた無色のガラスにグリザイユ*で湖畔風景が描かれたシックな酒器セットです。
オー・ド・ヴィに漬けたサクランボやミラベルやフランボワーズなどを供するためのService à fruitsと呼ばれるこうしたセットは19世紀末から20世紀初頭にかけて流行したらしく、ガラスメーカー各社が優雅で美しいセットを作りました。
本品は一見Daumと見紛うスタイルですが、おそらくBar sur Seineガラス工場（1881年〜1937年）で作られたものと思われます。
細密画のように精細なタッチで巧みに描き込まれたグリザイユが美しく、風情があります。
エナメル彩も金彩も殆ど落ちが無く、綺麗に保存されております。

*本来は黒やグレーの濃淡で描かれたモノトーンな絵画のことだが、ガラスの表面に黒っぽいエナメル彩で描かれた風景画などもグリザイユと呼ばれる。19世紀末のドームの作品に多く見られる。因みにgrisailleはフランス語で、grisはグレーを意味する。

【サイズ】　コンポート:高さ(蓋含む)23cm　口径15cm　グラス:高さ9.8cm　口径6cm 【年代と国】　1900年頃　　フランス【サイン】　ありません。【状態】　良好