手彫り（フランスではタイユグラヴェと言われる技法）による稀少で
美しいグラスです。とても高度な技術で、これが出来る職人が少ない
らしく、因みに現代のフランスでは、バカラではこのタイプのグラスは
作っておらず、辛うじてサン・ルイが僅かに作り続けているという
状況のようです。
本品は比較的薄手のクリスタルでできた全身にくまなく繊細精緻を
極める花のグラヴュールが刻まれております。
普通のハンドグラヴュールと違ってカットされた部分も滑らかで
透明なため撮影が難しく、画像では上手く再現できておりませんが、
実物はたいへん美しいものです。手に取った感じも見た目の可憐さ
にふさわしく、優しく柔らかく感じられます。　　　　　
古いサン・ルイのようでもありますが、クリスタルの質感（といっても
素人ですので音とか触感とか感覚的な判断ですが・・・）から
ボヘミア系のような気もいたします。　
どなたか特定できる方、ご教示いただけましたら嬉しいです。

【サイズ】　　　高さ：14.5cm　　　口径：7cm
【年代と国】　 19世紀末〜20世紀初頭のヨーロッパ製と思われます。
【サイン】　　　ありません。