『ヴァーズ』（花瓶の意）はルネ・ラリック1921年のモデルで、戦後は復刻されておりません。
銘々皿、深鉢、平鉢の3タイプあり、それぞれ5種のサイズがありますが、本品は最も大きな平鉢になります。
平鉢（クップ・プラット）といっても皿よりも更に平たく、縁が立ち上がった大皿またはトレーといった感じです。
一見、なぜ、どこが花瓶？と思われる方も多いかもしれませんが、
じっと見ていると7個の花瓶（ラリック型）とその花瓶に活けた花枝が余白を埋め尽くしているのが見えてきます。
ラリックの器としては珍しく細かい模様が全体に入った凝ったデザインで、名作のひとつです。
資料画像はMarcilhac著ラリックのカタログレゾネからの抜粋です。

【サイズ】　高さ:4.2cm　直径:29.5cm【年代と国】　1921年〜1923年　　フランス【サイン】　型でVDA（Verrerie D’Alsace）のモノグラムとFRANCE　アルザス工場発足当時3年間 のみ用いられたサイン【状態】　良好。