ガレの山水風景文作品はエミール・ガレ没後の第二期工房時代のものに多く見られます。
絵柄はいくつかのパターンがあるものの大体似通っていますが、本作品のような山の絵は他に類を見ません。
これはどう見ても富士山です。フランスにこのような山はありませんから、おそらく北斎の富嶽三十六景が元絵になっているかと思われます。
山の前面に描かれた斜線状のモティーフは、富嶽三十六景にも見られる飛ぶ鶴を模倣したもののようです。
少し扁壺気味な形も変わっておりますし、面白く味わい深いジャポニズム作品です。
　
【サイズ】　高さ:18.5cm　口径:4cm　底径:5.8cm【年代と国】　1906年〜1914年　フランス【サイン】　カメオでGallé【状態】　良好