Bambous torsに次いで人気があり、19世紀末よりテーブルウェアやトワレットウェア、照明器具など大いに展開されたロザース・ミュルティプル（複式薔薇文）と呼ばれる型パターンの脚付きリングトレーです。
まるでミニチュアのコンポートのような可愛らしいアイテムです。
フランスではbaguierバギエ（指輪をbagueバーグと呼びます）と呼ばれるこうしたリング置きは、19世紀半ばから20世紀初頭のヨーロッパのご婦人達の必需品であると同時にドレッサーを飾る小物として人気を博したようです。
バカラでは脚の無いクップの中心にリングをはめる突起が立ったタイプと、本品のような脚付きクップタイプの２種類ありました。
資料画像は1893年版バカラの型物カタログからの抜粋です。

【サイズ】　高さ:9.3cm 　口径:10.5cm 　底径:6.5cm【年代と国】　19世紀末〜20世紀初頭　　フランス【サイン】　型でBACCARAT と DEPOSE【状態】　良好。