エミール・ガレのカメオ作品には多くの草花が登場しますが、
藤の花はお気に入りだったのか登場回数が多いようです。
多くの場合、白地に紫色の二層カメオですが、この花瓶は白に
黄色を暈し、紫を被せ、更に上から若草色を厚く被せています。
カメオ彫りもアシッドだけではなく、かなり手彫りが加えられており、
触ると手に痛いほど彫りが深く、それだけ作品に奥行が感じられる
秀作です。日本の徳利にも似たフォルムに藤の花が良く似合い、
ジャポニズムそのものといった趣きがあります。
人によってはアール・ヌーヴォーと分類されるかも知れません。
アールヌーヴォーは多様な要素を含みますが、少なくともフランスに
おいてはジャポニズムの影響が大きかったと私は考えます。
【サイズ】 高さ:15cm 胴径(最大):8.2cm
【年代と国】 1890〜1904年頃 フランス
【サイン】 カメオで Galle