外側がピンク色で内側が白い二層オパリーヌに、エナメル多色彩で
女性像が4面描かれております。
古代の服装をした女性が4種のシーンで、それぞれ猫と戯れていたり、
水汲みしていたり、小鳥にパーンの笛を聴かせたり、花の香りを楽しん
だりする様が背景などのディテールまで精緻に表現されています。
絵のフレームとして描かれている草木は手描きですが、中の絵は転写
による絵付けのようです。
こういったタイプのランタンは元々トルコやアラブなどのイスラム文化圏
で使われていたランプを模したエキゾティック趣味なもので、バカラや
サンルイなどは王朝時代末期のトルコに逆輸入されていたようです。
イスタンブールの骨董店などで素晴らしいBACCARATのランタンを
多数見かけました。
電気は発明されていたとはいえ未だ普及していなかった1900年頃の
ランプですので、蝋燭、アルコール及び石油ランプ用に作られたもの
ですが、電球用にアレンジしてあります。
たいへん稀少なことにオリジナルの石油ランプ一式が付いており、
こちらも使えます。その場合は電気の配線は簡単に取り外せます。
別のランタンの画像は本品と全く同タイプで柄違いのもので、こちらは
BACCARATのサインがありましたので参考までに掲載致しました。
【サイズ】 高さ:(全体)85cm (シェード)29cm
シェード横幅:約19cm
【年代と国】 19世紀末〜20世紀初頭 フランス
【サイン】 ありません。
【状態】 良好。