19世紀のバカラグラスは近代や現代のようにモデル名が冠されることはなく、フォルム(形)やカットやグラヴュールのパターン(模様)に番号またはイニシアルが振り当てられ分類されていたようです。因みに1841年発売の有名なアルクールも命名されたのは1920年です。
本品は、フォルム8726と称されたモデルでおそらく1870〜1880年代に発売されたグラスセットと思われます。
1916年版のカタログにも掲載されておりますが、改名されることもなく、またこのフォルムが他の製品に転用されることもなかったようです。
ヴェニス風とも言われるラッパ型に吹かれたステムと、潔いストレートなシェイプのカップが見事にバランス良く調和しております。
軽くシンプルでありながら上品で高級感のある美しいグラスです。
こちらは3種のサイズ中最も小さなグラスですが、日本酒にもピッタリかと思います。
資料画像は1907年版のバカラテーブルウェアカタログからの抜粋です。
【サイズ】 | 高さ:11.6cm 口径:5.5cm 底径:5.5cm |
【年代と国】 | 19世紀末〜20世紀初頭 フランス |
【サイン】 | ありません。 |
【状態】 | 良好 |