言わずと知れたBambous torsの角形の小さな石油ランプです。
金赤暈しは比較的多く見られますが、この深い赤というかアンバー色
は初めて見ました。しかも、盛り上げ金彩でロココ模様が装飾された
リッチ・ヴァージョンは大変珍しいものです。
1907-1908年版バカラ照明器具カタログ（最後の画像）には石油及び
アルコールランプの項にポータブル・ランプのページがあり、
これを見ると、化粧水用の各種フラコンをランプにリフォームした
商品を当時バカラが作っていたことが分かります。
シェードはバカラではないと思われますが、フロストされたクリスタルで
手作業で花形に作られた美しいものです。（電気併用型）
ポータブルといっても電気の無かった時代、暗い家の中で持ち運び、
寝室の枕元に置くヴェイユーズであったと思われます。
今の日本でも停電や節電などの折に、実用的であると同時に
素敵な雰囲気をつくるお役立ちアイテムではないでしょうか？
燃料を入れさえすれば使える状態です。（使用中は火屋の上からかなり熱い蒸気が出ますので、要注意です。）
【サイズ】 高さ（シェード先端まで）：28cm フラコン高さ：12.5cm
フラコン底面：7cmｘ7cm
【年代と国】 19世紀末〜20世紀初頭 フランス
【サイン】 ありません。（型物でもフラコンやキャラフには
サインが入りません）
【状態】 良好。
