気高く清らかなお顔の大変美しいマリア像です。
エトリング*には合掌しているルルドのマリア像もありますが、こちらは無原罪のマリア像と呼ばれるようです。
フロスト仕上げのブルーオパルセントのクリスタルも、乳白や色の入り具合がやわらかく、とても綺麗です。
*Edmond ETLING(エドモンド・エトリング)は、1920〜30年代にパリに店を構え、オリジナル・ブランドの高級ガラス器や美術工芸品を商ったユダヤ系大商人でした。彼は当時の人気作家達を専属アーティストとして抱え、彼等の作品を雛型にして大手のクリスタルメーカーに発注し、自社ブランド製品として売り出したのです。ラリックの向こうを張ったオパルセント・クリスタルの型物は特に人気を博したようです。これらの貴重な型は、製作を担当したクリスタル工場が預かっていましたが、1940年ナチス占領下のパリからユダヤ人強制収容所に送られたETLING一家の誰一人として、戦後この遺産を相続すべく帰還しなかったといわれます。
【サイズ】 | 高さ:19.3cm 台座直径:6.4cm 重さ:774g |
【年代と国】 | 1920~1930年代 フランス |
【サイン】 | 型でETLING - FRANCE 83 |
【状態】 | 良好。台座部分に浅いチップ2個あり。 |