コート・ヴェニシエンヌ*をほどこしたガラスにエナメル彩でブルーと黄色のラインが入ったグラス類は20世紀初頭のドームの定番モデルのひとつです。
このモデルは無色透明ガラスのものが一般的ですが、本品は珍しくスモークガラスが用いられております。
スモークガラスは1930年代のドームのガラス器に多くみられますが、その先駆けとなる試作品だったのかも知れません。
トレー、ピシェ、ゴブレ6個の全て揃ったオリジナルセットです。
こうしたセットはオレンジエード(orangeadeフランスではオランジャードと発音)用と呼ばれ、19世紀末から20世紀初頭に夏に家庭で作って飲んだオレンジ果汁に砂糖と水や炭酸水を混ぜた飲物の為のセットです。
広口の大きなピシェとステムの無いゴブレのセットがスタンダードで、当時各社で作られたアイテムです。
オレンジエードに限らず、冷たいお茶やサングリアなどを皆で楽しむのによろしいかと思います。
*ヴェニス風ストライプと呼ばれるガラス器の内側を縦縞上に軽く波打たせたスタイルで、19世紀末から20世紀初頭にかけ流行したフランスの実用的なガラス器や花瓶によく見られる手法
【サイズ】 | ピシェ:高さ19cm 口径7.5cm グラス:高さ9.8cm 口径7.1cm トレー:高さ2.5cm 直径30cm |
【年代と国】 | 1910〜1920年 フランス |
【サイン】 | エナメル彩でDAUM ǂ NANCY FRANCE |
【状態】 | 良好 |