バカラの型物の中でもBambous torsと並んで人気のあるロザース・ミュルティプルのヴェイユーズ(常夜燈)です。
同じパターンで無色やブルーもありますが、本品は金赤暈しが綺麗に入った人気ヴァージョンです。
こうしたタイプのヴェイユーズは、ヴィクトリアン時代のイギリスでフェアリー(妖精)ランプとしてもてはやされました。
19世紀半ばにロンドンの蝋燭製造者クラークという人が発案し、フェアリーランプの名で売り出したところ、上流階級に人気を博し、ヴィクトリア女王からも注文を受け、特許1844年から1910年まで続いたとのことです。
ヨーロッパ各地に流行は広がり、各社が磁器やガラスで器具を作ったようですが、フランスではBACCARATが型クリスタルで作りました。
資料画像は、1907年版バカラ照明器具カタログからの抜粋です。
【サイズ】 | 高さ:全体10cm シェード9cm 受皿直径:14cm シェード口径:8.5cm |
【年代と国】 | 19世紀末〜20世紀初頭 フランス |
【サイン】 | 受け皿に型でBACCARAT DEPOSE |
【状態】 | 良好。 |