ウランを帯びた緑色が綺麗なバカラのランタンです。
バカラでは少数ですがこうしたウランガラスの製品を19世紀末から
20世紀初頭に作っています。
型吹きとアシッドで、鴨の一家が水辺で遊んだり泳いだり飛んだりしている様を浮き彫りにした珍しい図柄は、稚拙ながらジャポニズムを表しております。
こういったタイプのランタンは元々トルコやアラブなどのイスラム文化圏
で使われていたランプを模したエキゾティック趣味なもので、バカラや
サンルイなどは王朝時代末期のトルコに逆輸入されていたようです。
イスタンブールの骨董店などで素晴らしいBACCARATのランタンを
多数見かけました。
電気は発明されていたとはいえ未だ普及していなかった1900年頃の
ランプですので、蝋燭、アルコール及び石油ランプ用に作られたもの
ですが、電球用にアレンジしてあります。
資料画像は1907年版バカラ照明器具カタログからの抜粋です。
【サイズ】 高さ:(全体)64cm (シェード)23cm
シェード胴径:約20cm
【年代と国】 19世紀末〜20世紀初頭 フランス
【サイン】 型でBACCARAT
【状態】 良好。