ゆるくコート・ヴェニシエンヌ*がほどこされた無色透明のクリスタルに金彩とエナメル彩でスミレの花が水彩画のように描かれた大きな花瓶です。
パリの郊外の町パンタンにて1850年代から1930年代まで続いたクリスタルリー・ド・パンタンの作品です。
ルグラのスミレはエナメルを盛上げて油絵的ですが、パンタンのスミレは盛上げた金彩の線画の中に半ば透明に水彩画的にエナメル彩されており、ステンドグラスのような趣きがあります。
*ヴェニス風ストライプと呼ばれるガラス器の内側を縦縞上に軽く波打たせたスタイルで、19世紀末から20世紀初頭にかけ流行したフランスの実用的なガラス器や花瓶によく見られる手法
【サイズ】 | 高さ:29.5cm 口径:13cm 底径12cm |
【年代と国】 | 19世紀末 フランス |
【サイン】 | 金彩でPANTINの文字とモノグラムのマーク |
【状態】 | 良好 |