象の頭と背を覆う布、象使いの少年の坐像がサティネされており、残る部分はクリアに磨かれたバカラ得意の手法が効果的な大作です。
19世紀後半のバカラ製品には時折このようなオリエンタリズムを反映したものが見られますが、なぜ選りに選って象なのか?と思い調べてみたところ、どうやらこれは『バスティーユの象』*に因んだもののようです。
バカラがこの象をテーマに作った1878年の万博に出品されたリキュールセットは有名です。
資料画像は1893年版バカラの型物カタログからの抜粋で『象の頭の砂糖入れ』と題されております。
昔のお砂糖はいかに大きな塊でいかに高価なものだったかも知れませんが、ここまで立派な砂糖入れというのはちょっと珍しいです。
値段もこのカタログに何ページかに渡って掲載されている砂糖入れの中で抜群に高価です。
*1813年〜1846年パリのバスティーユ広場に展示されていた建造予定の噴水付きモニュメントの模型。詳しくは
こちらをご参照下さい。
【サイズ】 | 高さ:23.5cm 幅(最大):17cm 台座直径:8.6cm 重さ:2kg |
【年代と国】 | 1870年代前半 フランス |
【サイン】 | ありません。(型物にサインが入るのは 1870年代後半からです。) |
【状態】 | 良好。象の鼻に一箇所チップあり。 |