バカラの型物の2点式ヴェイユーズ(常夜燈)は3つのモデルが作られたようですが、いずれも稀少でなかなか入手できません。
本品はMOULURE RUSSE(ロシア型)と名付けられたパターンで、日本の某有名アンティックショップのサイトで拝見したことがありましたが、
実物を入手したのは初めてです。しかも金赤暈しの美品です。
こうしたタイプのヴェイユーズは、ヴィクトリアン時代のイギリスでフェア
リーランプ(妖精)としてもてはやされました。
19世紀半ばにロンドンの蝋燭製造者クラークという人が発案し、
フェアリーランプの名で売り出したところ、上流階級に人気を博し、
ヴィクトリア女王からも注文を受け、特許は1844年から1910年まで
続いたとのことです。
ヨーロッパ各地に流行は広がり、各社が磁器やガラスで器具を作った
ようですが、フランスではBACCARATが型クリスタルで作りました。
資料画像は白黒のものは1893年版型物カタログから、色刷りのものは1907年版照明カタログからの抜粋です。
【サイズ】 高さ(全体):11cm (シェード)9.5cm
受け皿直径:13.5cm シェード上口径:7.2cm
【年代と国】 19世紀末〜20世紀初頭 フランス
【サイン】 受け皿に型でBACCARAT DEPOSE
【状態】 良好。