本品に出会った時、初めて見る不思議な美しさに息を呑みました。
コキーユの優雅な形、ウランガラス特有の色、丹念に描かれたエナメル彩の絵柄、いくつもの美の要素が盛り沢山な器です。
和食器で貝型というとアワビ、ハマグリ、サザエなどが多いようですが、コキーユ・サンジャック(帆立貝)であるところが西洋的です。
花の咲いた梅の木にメザンジュ・ブルー(四十雀の一種)や蜂が集まる様が丁寧に描かれたエナメル彩も、ジャポニズムなテーマでありながらタッチは油絵風です。
アンティックの器ではコキーユ型はアイスクリーム用のクップに多く見られますが、本品もそうかも知れません。
果物を載せても良いし、水を張って花を浮かべるのも良さそうです。
【サイズ】 高さ(全体):11cm 鉢の深さ:7.3cm 幅:24cmx22cm
【年代と国】 19世紀後半 フランス
【サイン】 ありません。
【状態】 良好。縁の金彩やエナメル彩に多少の薄れあり。