サリシュール(金属酸化物を混入して色の斑文を生じさせるガラスの手法)による斑文が封入された厚手のクリスタルのジブレされた表面に白樺の枝葉がグラヴュールされ、その上に薄く金彩がほどこされたジャポニズムな花瓶です。
クリスタルりーは特定できませんでしたが、おそらくクリシーかパンタンと思われます。
先細りな底に1cmほど腐葉土のような汚れが堆積されて半ば固まっておりました。100年前からの植物の葉や茎や土らしきものをやっと取り除いたら、底にガラスの中に溶け切れなかったのか錆のようなサリシュールが見えました。
薄くまぶしたような金彩が枯れた風情を醸し、日本風な侘びのエスプリが感じられる一品です。
【サイズ】 高さ:15.3cm 胴径(最大):9cm 口径:5.5cm
【年代と国】 19世紀後半 フランス
【サイン】 ありません。
【状態】 良好。台座部分に微細なチップあり。