1930年に作られたコクリコ(ヒナゲシ、ポピー)は、シリーズ展開されず
1タイプのみの限定制作だった為、非常に稀少なモデルです。
このポルト酒用グラスとキャラフの他には、揃いのトレーしか作られて
おりません。開きかけたコクリコの花の蝶の翅のように薄い花びらが、
蕾の中でたたまれた細かな襞まで表現され、特徴的な黒い花芯と
雄しべは、裏から型で陰刻され黒エナメルを流し込まれた
凝った装飾で表されております。
古いラリック作品の常で、クリスタルの質や成型技術の面では
レヴェルが高いとは云えませんが、高い芸術性と稀少性から
コレクターに人気のある美しい酒器です。
冷酒や梅酒、古酒などにピッタリの形とサイズですし、懐石膳などにも
よろしいかと思います。
最後の画像はルネ・ラリックのカタログ・レゾネ(F.Marcilhac著)からの抜粋です。
【サイズ】 グラス:高さ5cm口径:5.5cm
キャラフ:高さ16.5cm 口径(開口部)7.5cm
【年代と国】 1930年代 フランス
【サイン】 グラスにグラヴュール・ア・ラ・ルーでR.Lalique France
キャラフに型でR.LALIQUE FRANCE