アンティック 姉妹社

ドレスデン磁器と一般に呼ばれますが、ドレスデンの窯は殆どが絵付け工房で、素磁はマイセン、KPM、ローゼンタールなどから白磁の状態で買い、それらに絵付けをして売ったものです。多くの工房が競って制作したため、ドレスデン磁器の絵付けはヴァラエティに富んだ華やかなものになり、ヨーロッパのブルジョワ階級に人気を博し、大いに発展したといわれます。
フランスのアンティック界でもドレスデン磁器は多く見られますが、色とりどりではあっても図柄は似通っており、一見してそれと分かります。
パンジーの花がほぼ実物大にリアルに描かれた本品は、そうした中で異彩を放っており、一目で心を惹かれました。
アンティック陶磁器の専門家の店で購入したのですが、彼もこのようなドレスデンは初めて見たそうです。透かしの上に格子状に描かれた金彩の線、中央のブランコ遊びをする恋人達の図、周囲に散りばめられた小さな花絵など、どこを見ても手抜きなく、丹念に手描きされております。
工房は特定できませんでしたが、素磁の質も良く、素晴らしく絵付けされた稀有な逸品だと思います。

【サイズ】	高さ:4.3cm 口径:24.5cm　底径:14.5cm
【年代と国】	19世紀末〜20世紀初頭　ドイツ
【サイン】	手描きで王冠の下にDの窯印　手描きで216
【状態】	良好