アメジスト色のガラスの表面をアシッドでジヴレ地に荒らし、エッチングで野薔薇と1匹の蝶がレリーフされた上に金彩がほどこされております。
1890年代のドーム兄弟社のアシッドによるグラヴュール作品の典型的な手法とスタイルの一例です。
桜の代用と思われる野薔薇の描き方や紋のある蝶のモティーフなど、多分にジャポニズムが感じられる作品です。
偏壷型のフォルムといい、グラヴュールの意匠といい、小品ながらこの手のドーム作品としては個性的な逸品だと思います。
中がとても汚れていて気付きませんでしたが、制作時に入ったと思われる貫通していないヒビや気泡の弾けた部分が内側に何箇所かあります。
【サイズ】 | 高さ:10cm 最大幅: 7.8cm 口縁部幅:6.2cm 底部幅:5.5cm 奥行(最大):4.6cm |
【年代と国】 | 1890年代 フランス |
【サイン】 | 手彫りでDaum ǂ Nancy |
【状態】 | 上記の通り |