ジュヴィジーはアルクールと並んで、古くから世界各国の王室や国家元首に選ばれてきた、グラスのスーパー・エリートです。
1867年にパリ万博のために原形が作られ、その後少しずつデザインに変更が加えられ、名前も変えられて現代に至っております。
1899年以降現在までフランス大統領官邸エリゼ宮で催される公式なレセプションや晩餐会に使われ続けている酒器としても有名です。
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今も作られているとは云っても受注のみで、店頭で即買い求められる品ではないばかりか、滅多に見本すら見られません。
本品はなかでも特に稀少な色被せのラインワイン用グラスの低いタイプです。
他のグラス類とはカップのシェイプも違いますし、このグラスだけ全身グリーンとピンクとグリーンの色被せヴァージョンのみ作られました。因みにほぼ同じサイズのボルドー用グラスの四割増し高かったようです。
資料画像はバカラの1907年版テーブルウェア・カタログからの抜粋ですが、当時はジュヴィジーという名前はまだなく、『フォルム35』と呼ばれていたようです。大統領官邸で使われるようになってからは『エリゼ』とも呼ばれますが、『ニーム』と呼ばれるカットが微妙に違うヴァージョンもあり複雑です。
一般的には大雑把にJUVISYと総称されているようです。
もう一つの資料画像は、Dany Sautot著”Baccarat Une manufacture française”からの抜粋です。
【サイズ】 | 高さ:12.2cm 口径:5.6cm 底径:6.5cm |
【年代と国】 | 19世紀末〜20世紀初頭 フランス |
【サイン】 | ありません。 |
【状態】 | 良好。 |