このヴェール・ドー(verre d’eau 水のグラス)と言われる水差しセットは
19世紀半ばから20世紀初頭にかけて、ヨーロッパの中流以上の家庭
の寝室に無くてはならない《おやすみセット》だったようです。
Baccarat、Saint-Louis、Bohèmeなど全てのクリスタルリーが趣向を凝らしてこうした水差しセットを多数作りました。
水用の大きなキャラフ1、オレンジの花のエキス用キャラフ1、ゴブレ2、シュガーポット1、トレー1の二人用6点セットです。
因みにオレンジの花のエキスは神経を沈めたり、胃を落ち着かせる薬効がある為、入眠剤として一般的に用いられていたようです。
ウィスキーの水割りセットとして使うのもおしゃれですし、それぞれのアイテムを単独で使ったり、使い道を考えるだけでも楽しいですね。
最後の画像は1893年版バカラ型物カタログからの抜粋です。
同じバンブーパターンで手付きと手無しの2ヴァージョンあり、どちらのセットもトレーは丸型か角型が選べるようになっていたことが分かります。
【サイズ】 | 大キャラフ:高さ26.5cm 胴径13cm 小キャラフ:高さ14.5cm 胴径7.3cm シュガーポット:高さ12.2cm 胴径:14.7cm ゴブレ:高さ11.3cm 口径:7.5cm トレー:高さ2.3cm 縦横21cmx31cm |
【年代と国】 | 19世紀末〜20世紀初頭 フランス |
【サイン】 | トレーとシュガーポットに型でBACCARAT DEPOSE |
【状態】 | 良好。 |