オークルに茶を混ぜ、マーブル状に斑文を入れたガラスに、エナメル彩で煙草の花が描かれたやや大振りの花瓶です。
1918〜25年頃DAUM工房にて制作されたもので、Madoの他にModa、Maudなどとサインされたこれらの作品は、第一次世界大戦後の復興期に廉価にて制作、販売されたドームのセカンド・ブランドだったようです。
高級工芸ガラスメーカーとしてのDaumの名前をアナグラム的に
もじったこれらのサインは、DAUM関係の資料には一切(私の知る限りにおいて)記載が無いため知る人ぞ知る状況でしたが、最近は広く知られるようになり、値段も上がってきております。
アールデコが興る前の、いまだアールヌーヴォーの名残を色濃く
留めたスタイルで、アシッドでグラヴュールする工程を省いた簡素な装飾ながら、離れて見るとDAUMの一級品とそっくりに見えるほど、同じエスプリを持っております。
【サイズ】 | 高さ:30cm 胴径(最大):9.4cm 口径:9.6cm |
【年代と国】 | 1918年〜1925年 フランス |
【サイン】 | エナメルでMado Nancy |
【状態】 | 良好。口縁部外側表面に直しあり。 |