白、オリーブグリーン、セピア、栗色の多層被せガラスに、アシッドで湖水や木立などを描いたいわゆる湖水風景がカメオ彫りされた渋い花瓶です。
エミール・ガレ生前の作品は、植物や生物などをズームアップで意匠的に描いたものが多く、こうした風景画的な作品は何故か殆ど見当たりません。
本品もガレ没後の第二期工房時代のものですが、風景文作品としては初期に当たり、後の第三期工房時代の明るい色調の風景文に比べて古色が感じられ、ガレの面影を残した作品です。
2箇所を抓み上げた口縁の形が桶のようにも見え、枯れた色調と相まってジャポニズムが漂います。
厚いガラスを透す光の明るさによって景色が変わり、本当に風景を見ているような趣きがあります。
【サイズ】 | 高さ(突起部分含む):20.5cm 胴径(最大):11.5cm 口幅:6.2cm 重さ:884g |
【年代と国】 | 1906年〜1914年 フランス |
【サイン】 | カメオでgallé |
【状態】 | 良好。 |