ダモンは、Louis Damon ルイ・ダモン(1860-1947)が1887年にオウナーになったパリのマドレーヌ広場にあった”Vase Etrusque”(エトリュスクの壺)という高級工芸品店で売られたガラスや陶器に見られるサインです。
ガラスはドームに発注し、時に自社のアトリエで更に加飾したと言われます。
本品は殆ど加工されていないドーム製品そのままと思われるグラスセットで、お馴染みのコート・ヴェニシエンヌ
(ヴェニス風ストライプと呼ばれるガラス器の内側を縦縞上に軽く波打たせたスタイルで、19世紀末から20世紀初頭にかけ流行したフランスの実用的なガラス器や花瓶によく見られる手法)に金彩をボーダーにあしらったトレー、広口のピシェ、ゴブレ7個という充実したものです。
ピシェにのみサインが入っており、共同経営者Delenteの名前が加えられたこのサインにより1931年以降に売られたものと考えられますが、原型はドームの1891年のモデルです。
(因みにこの店は後にバカラのパリ本店となり、社名のDamon & Delenteはそのままバカラの販売部本店の公式社名として現存します。)
orangeade(フランスではオランジャードと発音)はオレンジ果汁に砂糖と水または炭酸水を混ぜた冷たい飲物で、19世紀末から20世紀初頭には夏に家庭で作って飲んだものらしく、専用の広口で大きなピシェとステムのないグラスのセットが各社で多種作られました。
オレンジエードに限らず冷たいお茶やサングリアなどを皆で楽しむのに最適なセットです。
【サイズ】 | ピシェ:高さ16cm 口径8.5cm グラス:高さ8.5cm 口径6cm トレー:高さ2.5cm 直径24.5cm |
【年代と国】 | 1930年代 フランス |
【サイン】 | ピシェにのみ金彩で Damon & Delente 20 Boul:d Malesherbes Paris |
【状態】 | 良好。 |