1858年フランス南西部のルルドという町に住むベルナデットという14歳の少女の前に18回に渡って出現したといわれる聖母マリアの奇跡はあまりにも有名です。
現在も年間500万人の巡礼者が後を絶たない聖地ルルドですが、奇跡の水と共に、記念品として古くから聖母像が大小様々作られ売られていたようです。
ETLING* のマリアさまは神々しくも初々しく、そして慈愛に満ちて、罪深い人類の為に祈りを捧げてくださっているかのようです。
オパルセントガラス(クリスタル)の表面がフロスト加工されて、マット仕上げになっております。
マットなだけに上品で、彫りが深く見え、繊細で美しい仕上がりです。
*Edmond ETLING(エドモンド・エトリング)は、1920〜30年代にパリに店を構え、オリジナル・ブランドの高級ガラス器や美術工芸品を商ったユダヤ系大商人でした。彼は当時の人気作家達を専属アーティストとして抱え、彼等の作品を雛型にして大手のクリスタルメーカーに発注し、自社ブランド製品として売り出したのです。ラリックの向こうを張ったオパルセント・クリスタルの型物は特に人気を博したようです。これらの貴重な型は、製作を担当したクリスタル工場が預かっていましたが、1940年ナチス占領下のパリからユダヤ人強制収容所に送られたETLING一家の誰一人として、戦後この遺産を相続すべく帰還しなかったといわれます。
【サイズ】 | 高さ:20.5cm 台座直径:6.2cm 重さ:703g |
【年代と国】 | 1920~1930年代 フランス |
【サイン】 | 型でETLING - FRANCE 76 |
【状態】 | 良好。 |