『クリオ』はフランスの文豪アナトール・フランスの5編からなる短編小説集で、1900年にパリのCALMANN LEVY社から出版されました。
当時アール・ヌーヴォーの代表的アーティストとして一世風靡していたミュシャが、彼の愛好者の一人であった著者の依頼により挿絵を描きました。
本品は無番号の普及版ですが、カラーリトグラフで摺られたミュシャの挿絵入りオリジナル初版本です。
イラストは各短編の冒頭部、題名の上に入れられたヴィニェットと呼ばれる小さなものが5点、活字と組み合わせず挿絵だけのページのものが7点、
口絵1点、金彩入りの有名な表紙絵1点の合計14点が掲載されております。
絵のサイズは色々で統一されておりませんが、表紙絵と口絵を除いて全ての版画は左右の幅だけ一定で6.4cmになっております。
ミュシャ独特の精緻な線描に淡い色調で赤、黄、青、緑、時に紫で彩色された版画は、挿絵というより細密画のようです。
昔はこうした本は仮綴じ状態で売られ、買った人が製本業者に製本してもらって蔵書するのが普通でした。
本品もその類で、外側のハードカヴァーは製本屋で誂えられたものです。
オリーブグリーンのコーティングされた布とモワレ柄の紙で包まれた表紙の背の一部だけにモロッコ革が象嵌され、刻印された題名、作家名、ワンポイントの花模様に金彩が施された比較的簡素な装丁ですが、しっかりしており、100年以上経ている割には良く保存されております。
本を傷めないよう気遣った為、あまりよく撮影できておりません。
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| 【サイズ】 | 21cmx14.7cmx 3.1cm ページ数:188ページ |
| 【年代と国】 | 1900年 フランス |
| 【サイン】 | 各挿画の画面中に版上サインでMucha |
| 【状態】 | 良好。 |
