まるでミニアチュアのように小さく、精巧に作られたオールドバカラ
ならではの逸品です。
このタイプの筒型花瓶をバカラは多数作っており、大は1m近い
ものから小は本品のような食卓用の一輪挿しまで、様々なサイズと
装飾の異なるものがあります。
共通しているのは当時流行のコート・ヴェニシエンヌ(ヴェネチアン・
ストライプと呼ばれる器の内側を縦縞状に波打たせたスタイル)が
施されていることと、花瓶の上下のシェイプがゆるやかな曲線を
描いて開いていることです。
二つ並べると、金彩でアールヌーヴォー風に描かれたケシの花が
左右対称を成しており、同一品の2個揃いではなく、
完全な一対になっていることが分かります。
最後の画像(上)に見られるように、内側に石灰による曇りが少し
ございますが、水を入れると見えません。(下)の写真はサイズ
参照用で、中に入っているのはティースプーン、横と後ろのグラス
はボルドー用と水用です。
【サイズ】 高さ:12.5cm 胴径:3.7cm
【年代と国】 19世紀末〜20世紀初頭 フランス
【サイン】 ありません。