サルグミーヌは東フランス、ロレーヌ地方のドイツに接した町の名で、
この地に1784年に開かれたサルグミーヌ窯の陶器は有名です。
1876年からはリヨンに近いDigoinに工場が移され、現在も続いています。
サルグミーヌはファイアンスと呼ばれるいわゆる陶器ですが、比較的硬質で型、彩色、絵柄などが緻密で綺麗なのが特徴です。
本品はバルボティーヌ(英米ではマジョリカ)と呼ばれるデコボコと半立体的な装飾が施されたタイプの陶器です。
19世紀後半から20世紀初頭にかけてヨーロッパで流行し、大手の製陶所がこぞってアスパラ用、生牡蠣用、デザート用などの食器や鉢カバーなどを量産しました。
多彩色で騙し絵的な絵柄が楽しい食器は今も人気があり、復刻版やコピーも出回っております。
サルグミーヌのバルボティーヌは多種のパターンがあり、鮮やかなな配色のものが多いようですが、本品は珍しくシックなトーンで彩色されていて絵柄もデコボコ具合も上品なお皿です。
長年アンティック食器専門に扱っている業者から仕入れましたが、彼女も初めて見たモデルとのことでした。
家庭の日常用食器として作られたこうした古いファイアンスの常で、釉薬やプリントのムラ、抜け、成形のガタつきなど多少ございますが、100年以上経たアンティック品としては綺麗で、まだ十分使えます。
【サイズ】 | 直径:20.5cm 高さ:1.5cm |
【年代と国】 | 19世紀後半 フランス |
【サイン】 | SARREGUEMINES(1835年〜1900年のマーク)と3の刻印 |
【状態】 | 良好。 |