ブランジェは1810年から1938年まで操業したパリの銀器メーカーで、主に食卓用のカトラリーを製造し、クリストフルと並ぶ大手として知られております。
特にシルバープレート製品に力を入れていたようでアールヌーヴォーのデザインの良いカトラリーは今でもよく見かけます。
本品はブランジェの代表的なアールヌーヴォーモデルChardons(シャルドン=アザミ)の純銀製ティースプーンです。
このモデルは大ヒットしたらしくシルバープレート版は大量生産されたようで、昔は随分見かけましたし我家にもございます。
純銀製でしかもボウル部分がヴェルメイユされた本品のようなChardonsのスプーンは稀少だと思います。
バランスの良いプロポーション、典型的でありながら濃過ぎないアールヌーヴォー度、過不足無い装飾性などなど、デザイン、質共に完成度の高いスプーンです。
ボウル部分のヴェルメイユは多少薄くなってはおりますが(特に背中側)程好く残っており、フルーツや卵類にも使えそうです。
古びてはおりますがしっかりとした箱入りです。
資料画像は、David ALLAN著『19世紀フランスの食卓のカトラリー』からの抜粋で、Boulengerの1900年頃のカタログのコピーと、本編の中で紹介されている同モデルのアイテム2点のページです。
【サイズ】 | 長さ:13.3cm ボウル部分の幅:2.6cm |
【年代と国】 | 1900年頃 フランス |
【サイン】 | メーカーマーク(純銀用)とミネルヴァの刻印 (純度950/1000の銀) |
【状態】 | 良好 |